fc2ブログ

強行法規違反の解雇を闘う場合のユニオン側の注意点

業務上災害の無効原因として労基法19条1項の業務上の災害による療養中の解雇の禁止規定に違反する解雇の場合、また労組法7条1号4号の不当労働行為としての解雇の禁止の違反を主張をする場合、これら強行法規違反の解雇を主張する場合、立証責任は労働者側にあります。

就業中の社長のパワハラにより、うつ病を発症し、その療養中の解雇事案の場合、当該労働者の疾病が業務上のモノであること、すなわち業務起因性を主張立証しなければなりません。
そのためには、当該労働者が、労災保険法に基づく給付を受けるための労働災害の申請をしておかねばなりません。しかしこの申請はうつ病の本人には精神的負荷がかかります、主治医によっては治癒しないと労災申請を許可しない場合があります。つまり長期化が予想されることを計算しておくべきです。

労災申請が却下された場合は、異議申し立てを行い、それでもダメな場合再審査請求をすれば、労災における相手側の資料や審査の調査結果などが開示されます。この資料は業務起因性を認めているが、その強度が保険給付を認める「強」でなくとも、「中」であるなら業務起因性を認めている場合が多いので、地位確認裁判の有力な証拠になります。つまり保険給付が認められなくとも、業務起因性は証明できます。ただしこの証拠の開示には2年ほどかかるのが難点です。

また労基法19条1項の業務上の災害による療養中の解雇が認められない可能性もあるときは、労組法7条1号4号の不当労働行為による解雇であるとして地方労働委員会に申し立てておく必要があります。この二つを同時に争うことは矛盾しません。組合員であることを理由に、解雇したがそれが同時に二つの強行法に違反している場合が多いのです。

つまり、地位確認裁判と地労委の救済申し立ての2本立てで闘う必要があります。この場合、証拠は初めにすべて出さず、(手の内を全て明らかにせず)必要最低限にとどめ、地位確認裁判の証拠を残しておく必要があります。

強行法規違反の解雇の場合、会社側が懲戒解雇や普通解雇の理由を様々でっち上げてきても,強行法規違反を立証すれば勝つことができます。最近厚生労働省は精神障害の悪化に関する基準を緩和しました。通常の精神障害を引き起こす程度の負荷で労災を認めるケースがあることを明記しています。したがって面倒がらず、あきらめずに長期戦を闘うべきです。
#解雇の禁止規定の違反
新世紀ユニオン新ホームページ

ケイティ○ィ○○の違法解雇を正当化する手口!

「ケイティ○ィ○○の事案はどうなったのか?」との問い合わせが組合員や支持者の方から多く寄せられているので書きます。

Aさんはケイティ○ィ○○と言う貿易会社に入社したのだが、コロナ禍の行動制限で海外に営業活動に行けなくなった。そこからAさんへの退職強要が始まった。しかし遠方から引っ越してきたばかりのAさんには退職の選択は経済的に取りようもなかった。

こうしてパワハラ社長の嫌がらせが始まったのである。はじめは5万円の賃下げを、受け入れないと辞めてもらう、と脅迫して賃下げの受け入れを強要した。Aさんは泣く泣く受け入れざるを得なかった。それでも社長の退職強要や嫌がらせのようなパワハラはやむことは無かった。

海外に営業に行けない中で社長はメールで新規開拓をやれというのである。やれなければ契約は終わりだ、と言うのも無理な指示であり、厚労省のパワハラ基準の「過剰な要求」である、また期限の定めのない雇用を1年の期間雇用に変更するので労働契約書に署名せよ、とAさんに労働契約の不利益変更を迫った。これを拒否したことが、社長のパワハラをさらに強めることになった。こうして2回目の5万円の賃下げが強行された。Aさんは堪忍袋の緒を切り、会社にメールでこの一方的賃下げの違法性を糾弾した。

会社は慌てふためいて、幹部数人で圧迫面談を行い、Aさんにどうするのか問いただした。Aさんが「労働組合に加入しているので円満に話し合いたい」と申し述べると、会社は慌てて一方的賃下げを撤回したが、その後のAさんへの対応は敵意に満ちたものになった。社長は面談の最後に「どうするか見ておけ」と捨て台詞を投げかけた。

やむなくユニオンから団体交渉を申し入れると、会社のAさんへの攻撃はさらに激化した。Aさんはうつ状態が悪化し、精神的疲労から頻尿の症状が顕著になった。社長はトイレばかり行くAさんに「皆が迷惑する」と申し述べ、精神的圧迫を強化し、Aさんに腎臓の精密検査を受けるよう強要した。こうしてAさんは心療内科の医師にうつ病と診断され、休職・療養する事態となった。ユニオンが申し入れた団体交渉はこうしてつぶされたのである。

休職療養中も社長はAさんを監視し、薬局まで尾行し写真を撮りまくるなど精神的圧力を加えた。数か月の療養後、心療内科の主治医の「就労してもよい」との診断が出たので、職場への復帰を申し入れたが、団体交渉で会社は内科と皮膚科の開業医の診断を受けるよう要求した。このため団体交渉が議題にも入れないまま終わった。しかし会社指定の医師の診断を受けようとしても双方の日程が合わなかった。これは会社が初めから解雇までの時間稼ぎをした事は明白であった。

こうして職場への復帰申し入れ後の1か月後に、Aさんは突然解雇された。解雇理由はパソコンの私的利用や入社時にAさんが「営業開拓を希望するコネクションがある」と嘘をついただけでなく、「英語の能力がない」ことなどが捏造されていた。しかし解雇は組合員を排除するための違法解雇であることは明かだった。

大阪地労委の会社側の答弁書などで明らかになったのは、解雇理由が就業規則違反の懲戒解雇であるのに、Aさんに弁明の機会を与えていないことから、「コネクションがある」などの嘘を並べて普通解雇したことが明らかになった。しかし会社側の解雇は労災療養中の違法解雇であり、労基法19条の解雇禁止規定違反の違法解雇であるために、会社側弁護士は社長のパワハラとコロナ禍を、すべて答弁書面で否定せざるを得なかった。

しかし、社長のパワハラは、5万円の賃下げ、期間雇用への不利益変更の強要、2回目の5万円の賃下げ強要はいずれも証拠がある。パワハラが労働契約を守ろうともせず、不利益変更を強要したことが明らかであるので、うつ病が私病だとの会社側の主張は無理がある。

当ユニオンは会社の解雇が労基法19条の強行法規に違反しているので、当初は宣伝を控えて、早期解決のため、和解の団体交渉に臨んだのですが、会社側の解決金の回答はわずか3か月分に過ぎなかった。この時点で未払い賃金が約9か月分であったのであるから、会社側弁護士は解決金の相場も理解していなかったのである。会社側代理人は特許関係の弁護士事務所であり専門外ゆえの和解決裂か、もしくは自分の利益のために訴訟への持ち込みを企んだかいずれかであろうと思います。

会社側が負けると分かっている事案なので、地労委でも和解提案が行われた、しかし地労委の提示した金額があまりにも低額であり、会社側が退職勧奨の中で提示した解決金300万円をも大きく下回っていたのでAさんは和解を拒否した。以上が現在までの進行状況です。したがって労災認定と裁判闘争は避けられず事態の早期解決は難しい事態となっています。

近年、パワハラやセクハラ企業は商取引が敬遠される事態が増えています。とりわけ海外企業との貿易ではなおさらです。ですから早期解決が可能と判断したのですが、代理人が依頼主の利益を図らない場合、早期解決は不可能です。労働事案は解決が早いほど企業にとり安上がりであるので、早期の解決が可能と判断したのが計算違いでした。
以上報告です。
# パワハラ解雇事案
新世紀ユニオン新ホームページ

科学的な思考方法を身に着ける重要性について

ソ連の最高指導者であったスターリンの間違いは、毛沢東が指摘しているように人民内部の矛盾を理解せず、敵対的な粛清という間違った解決策を取ったことにあります。矛盾には敵対的矛盾と人民内部の矛盾があり、これを区別しなければなりません。北朝鮮の指導者は集会で居眠りした幹部を銃殺する。中国側に取り込まれた外交関係者もすべて銃殺しました。この高度に発達した奴隷制社会の「大王」も、敵対的矛盾と人民内部の矛盾を区別できないでいます。

もっと身近な問題で説明すると、私が新しく開店した喫茶店でコーヒを飲みながら友人と話をしていると、店主が来て、30分たったので出てくれ、と言われました。この店主はテーブルの回転数だけを経営上で重要と考えており、顧客がくつろげる場を作る重要性が理解できていないのです。この喫茶店がすぐにつぶれたのは当然です。顧客の回転率は平均法則で考えるべきであり、顧客の回転率が「取らぬ狸の皮算用」になって、30分で客を追い出していては、客は離れ喫茶店の経営は成り立ちません。

このように人間社会における問題(=矛盾)の解決方法を考える思考が科学的でないと、物事はうまく解決できず、人民内部の矛盾を敵対的にしてしまうことになります。例えば岸田政権がマイナンバーカードの紐付けを急ぐあまり、現場が混乱し、ミスが続出し国民の不信が拡大し、内閣の支持率が急落したのも、新しい政策を実行する方法・考え方を間違えたためです。

新し仕事を始める場合、それを成し遂げるための段階性・必要条件を踏まえなければなりません。マイナンバーカードへの紐づけは、少しづつ進めなければ、その過程で新たに生ずる問題点をあらかじめ知ることができません。労働者が新しい仕事を命令された時にも、この段階性と必要条件を考えておかねば失敗することになります。

物事を成し遂げる場合、私たちはその必要条件を上げて、一つ一つクリアーしていかないと目的を達成できません。野球の大谷選手がアメリカで成功した裏には、彼が目標を達成するための必要条件をノートに書き出し、一つ一つ成し遂げていったゆえに彼は成功したのです。大谷選手は目標を達成するうえで、物事の段階性と必要条件を理解して、それを努力して実践していたのです。ここに彼の偉大さがあります。

労働者の雇用を守る闘いも、段階性を踏まえ、勝てるだけの証拠をそろえてから団体交渉を行わねばなりません。勝つための必要条件をそろえてから闘うのであり、これをおろそかにすれば守れる雇用も守れなくなります。パワハラ事案の場合、労働者が感情的になり、解決のための妥協ができにくくなります。しかしどのような事態でも階級矛盾を解決するには、労使の妥協が必要です。感情を政策に変えては問題をこじらせては、解決を長引かせるだけです。

労働者が、経営者との関係がこじれ、解雇を繰り返す人の特徴は、相手の立場から物事を見ることができない人が多いのです。物事を自分の立場からしか見れないと、必ず経営者の不信を買い、相手が仕事上で求めている理由を理解できないので、経営者の怒りを買うという例が非常に多いのです。

労働相談を受けていると、労働者の側にも、経営者の側にも、科学的思考方法が身についていないことがよくわかります。それは日本の学校教育で認識論を教えない結果だと私は思います。これは日本の学校教育が従順な労働力を生み出すことを目的にしている結果だと思います。

科学的な思考方法を身に着けることが職場での良好な人間関係を築くうえで重要なのです。最近の労働者はネット上の間違った考えを身に着けている人が少なくありません。そのような人は認識運動が下手で、職場で信頼関係を築くことができません。経営者の中にも思考の多様性を認めず、自分が結んだ労働契約を守らず、次つぎ賃下げを受け入れさせようとする強欲な人が少なくありません。法律順守の上に立って科学的な思考方法を身に着けることが、労使共に非常に重要だと私は思います。
#科学的思考方法
新世紀ユニオン新ホームページ

岸田首相は何をやろうとしているのか?

岸田文雄首相は26日に、10月中にまとめる経済対策の策定を正式に指示する。その対策は①物価高から国民生活を守る②持続的賃上げ、所得向上と地方の成長③成長力につながる国内投資促進④人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革⑤国土強靱(きょうじん)化など国民の安全・安心――の5つの柱を公表した。

これはあまりに抽象的で、このままでは耳障りのいい言葉を並べただけだ。
首相の5つの経済対策への私の疑問?
<疑問1>インフレ政策を続けながら、どのようにして物価高を解決するのか?
<疑問2>反労組の政策続けながら、どのようにして賃金を持続的に上げると言うのか?<疑問3>内需が縮小しているのに、どのようにして国内投資を促すのか?
<疑問4>人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革とは何なのか?
<疑問5>財政危機の中でどのようにして国土強靱化を図るのか?

岸田が、政策の具体化を示さずに、これを発表した意図は、解散総選挙に向け企業へのバラマキを行い、財源の国債発行で、財務省が狙う消費税大増税の布石をすることではないか?と疑いたくなる。国債発行とは、経済学的に見ると、税金の先取り請求権の行使であり、将来の大増税を意味している。岸田のバラマキの狙いが増税にあることは疑いないことだ。

岸田は、「聞く耳がある」と言いながら、その目は国民の方ではなく財界や自民党内に向けられている。だから国民には何をやる政権なのかわかりにくいのである。岸田自身の政治信条や理想や、やりたい政策が分かりにくいのは、彼が単なる政治屋に過ぎないからではないかと思う。

物価を抑制したいならインフレ政策をやめるべきだ。賃金を上げたいならバイデンのように労組のストライキを奨励すべきだ。国内投資を増やしたいなら内需の拡大を行うべきだ。少子化を解決したいなら、非正規雇用を廃止すべきだ。洪水の起こらないようにするには、企業へのバラマキをやめ治山治水に金を使うべきだ。

岸田首相の言う政策が抽象的なのは、意図する狙いが増税にあるからだろう。企業支援の金をばらまいで、その財源が国債だというのだから、狙いは財務省が狙う大増税にあることは間違いないであろう。
# 岸田政権
新世紀ユニオン新ホームページ

人は強くなければ弱い人を助けられない!

<全国のユニオンの若い活動家諸君のために書きます>
私は、21才の時に労働組合の青年婦人部長になりました。働きながら定時制高校に通っていたので労働問題に少し知識があった事から選出されました。

ある日「足に少し障害がある青年が解雇され、寮で泣いている」という情報が入り、青婦部の役員が取り組むべきだというので、寮に課長を呼び話し合い、解雇を取り消すように求めました。
翌日、会社内に「課長を監禁脅迫した」とのデマが振りまかれ、話し合いに参加した3人の青婦部の役員が会社から減給処分にされ、組合からも3年間の権利停止処分にされました。青年婦人部長も解任にされました。このとき解雇された労働者を私は守れませんでした。

私はこの時に、どのように闘えばよいのか?労働組合とは労働者の雇用を守ることが仕事ではないのか?について何も知識がなく、全く自分が無知であることを知りました。ただ「人は強くなければ弱い人を助けられない」という事だけは分かりました。

その後私が「強くなるために」学習したのは、
(1)労働法の法的枠組みを学ぶこと、その裁判における解釈(判例)を学ぶこと
(2)闘いの戦略戦術を学び労働運動に具体化すること
(3)歴史を学び、歴史上の偉人がどのように人間を鍛えたのか?を学ぶこと
(4)社会的問題を分析し、解決する方法、すなわち認識論を実践を通じて学ぶこと
(5)社会を動かしている経済的基礎を学ぶこと、経済的基礎から政治をみること
(6)労働運動は階級闘争であるのでその理論を学ぶこと

当時ベトナム反戦運動が盛んで、何回もべ兵連の御堂筋デモに参加し、次第にマスクス主義に心酔し、とりわけエドガースノーの「中国の赤い星」を読み感動して、毛沢東の著作を読むようになり、日本共産党(左派)に入り労働運動をつづけました。その後中国の文革派の4人組が逮捕され、左派は四分五裂したことで私の革命運動は終わりました。私はその後も労働運動の研究を続け、無党派の新世紀ユニオンを仲間とともに結成したのが2000年の秋でした。

結成後、ユニオン・ニュースに「リストラ対処法」を書きパンフレットを作成し、ユニオン加入者の学習資料とし、そのごも各種パンフレットを作成して、雇用を守る戦術を確立してきました。新世紀ユニオンはリストラとの闘いの労働者の戦術レベルを上げることを目的に結成したので、以後もブログやホームページを通じて全国の労働者に闘い方を公開してきました。

現在新世紀ユニオンは、ブラック企業や公安などの反動勢力の、組合つぶしの攻撃を受けています。私は自分の人生の目標を「労働者として見事に生きる」ことを目指しています。階級敵が新世紀ユニオンを叩き潰したときには、何十何百の新世紀ユニオンが全国に生れるでしょう。だからこそ、我々は闘い方を公開しているのです。

組合つぶしの攻撃を経験して分かったことは、階級敵の不当な攻撃が、人と組織を鍛えるという事です。人は強くなければ弱い人を助けられないが、持続的に闘い続けなければ強くなれないという事です。闘いを堅持し、階級敵の陰謀や罠を掻い潜り、労働者のために闘い続けることが、労働者としての素晴らしい生き方だと私は考えています。
#闘う労働運動
新世紀ユニオン新ホームページ
プロフィール

m.kadono

Author:m.kadono

労働運動の豊富な経験
労働者への誠実な対応
雇用を守るノウハウを確立

加入金は5,000円
組合費は毎月収入の1%
2カ月分の前納

加入方法のページ

一人でも入れる労働組合
「新世紀ユニオン」ではリストラ無料相談を行っています。
平日:10:00~17:30
土日祝:なし
Tel:06-6452-5833
Fax:06-6452-5677
住所:大阪市福島区鷺洲3-9-13坂東ビル3F

地図を表示

リストラ対処方PDF



!!お気に入りに追加!!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリー+月別アーカイブ
 
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード