私的制裁について思う!

新世紀ユニオンには年間約200件の労働相談があります。この中には法律の不備で、また行政・司法の不備で救済されない事案が多々あります。明らかなパワハラで被害が出ているのに司法が救済しない事案は世間では非常に多いのです。例えば長く働いた女性が妊娠を会社に伝えると、すぐ社長が怒鳴り付け退職届を書けとせまり、11回も連日怒鳴りつけられてうつ病を発症し、この女性は未熟児を生み、未だに鬱が治りません。

ところが社長が怒鳴りつけている録音がないと労働基準監督署は労災認定せず、どうにも救済されないことがあります。安倍首相はこうした救済されないマタハラの被害者のための法律を作ると約束しましたが一向に作られません。すなわち政治のサボタージュで、行政も司法も救済しない時、私的制裁が許されるのではないか?と思い調べました。

日本では「私力の行使は原則として法の禁止するところである」事が原則ですが、例外もあります。「法律に定める手続きによったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能または著しく困難であると認められる緊急止むを得ない特別の事情が存する場合において」は「必要の限度を超えない範囲で」私力の行使が許されるのです。(最高裁昭和49・12月7日民集19巻9号2101ページ)

企業がブラック化し、ブラック弁護士が悪辣で違法な手口を指導し、行う例が増えてきました。明らかな違法解雇であるのに録音がないというだけで許されるなら、こうした犯罪を抑止するために「効果的な私的制裁・社会的制裁」で犯罪を抑止することが必要になります。経営者が年間何千人と過労死・過労自殺に追い込んでいる時、労働者の側も自分の命を守るために、なにが正当防衛になるかを考えなければなりません。とりわけ政治が過労死ラインを超える残業を合法とする時、労働者は合法的闘いが不可能で、したがって非合法的闘いが不可欠になります。証拠がなければこの社会は罰することができないので、証拠を残さないように私的制裁がこれから広がるでしょう。

自社商品への異物の混入や、欠陥品の意識的生産などは言わば私的制裁と言えます。こうした私的制裁は誰がやったか確認が不可能なケースが多いのと、商品の回収で信用が傷つくので、一定の企業の犯罪抑止効果があります。つまり企業にとって自業自得なのです。政府の規制緩和で労働者の闘いの幅が狭まる中では、労働者は私的制裁を避けられないというのが客観的情勢の特徴です。この私的制裁は罪と罰のバランスが取れていなければなりません。

こんなことを考えていても、新世紀ユニオンは私的制裁を合法的に行う知恵があるので、非合法的闘いはしません。しかし労働組合は一般的に、どのような悪辣な企業側の攻撃にも我慢するばかりではないことを、企業経営者は自覚した方がいいでしょう。(あまりにも悪辣な違法行為を行う企業が多いので書くことにしました。)
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Author:m.kadono
一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」ではリストラ無料相談を行っています。
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