上司の危険な業務命令は成立するか?

読者からの書き込みで、劇物で汚染された職場での仕事、掃除の命令等の危険な業務命令は成立するのか?との質問がありましたので書くことにしました。

会社等の上司が出す業務命令とは、業務遂行のためのものであり、業務命令の法的根拠は労働者が雇用契約で労働力の処分を使用者にゆだねることを契約した雇用契約にあります。

従って業務命令権の行使は、労働契約において労働者がその労働力の利用を使用者に約した合理的範囲において合法であり、合理的範囲を外れる場合は業務命令権の濫用となり、無効です。

最近ブログで紹介した劇物で汚染された職場での仕事、掃除の命令等の危険な業務命令は、内容そのものが合理的でなく、労働者への懲罰的目的で行われているとしか考えられず、このような業務命令には法的拘束力はなく、従って命令を受けた労働者がこの命令を拒否したとしても懲戒処分等の不利益を課すことは出来ません。

つまり安全ロープなしに高所での作業を命令される、あるいは劇物で汚染された部屋で仕事をさせたり、掃除を命令するような生命・身体に対する危険を伴う違法な業務命令は拒否できるし、断固拒否すべきです。こうした違法な命令を受けた時は録音やメモで証拠を残すようにすることが重要です。
また食品偽装、脱税、粉飾、データ―の改ざんなどの違法な業務命令を忠実に実行した場合、たとえ業務上の命令であっても実務担当者が「主犯」となり逮捕され、重い処分となることを知らねばなりません。会社上層部は逮捕や起訴の可能性は少ないことを知っておくべきです。

このような違法な業務命令を受けた時は、会社の上層部に社内メールで「違法な命令」であることを指摘し、再考を求め(このメールをコピーしておく)、同時に業務指示書等の証拠をコピーして置くこと、こうした準備の上で業務命令を拒否する事が重要です。

特に生命・身体の安全に関わる危険な業務命令は、労働契約法の安全配慮義務違反であるだけでなく重大な人格権侵害であるので、完全な業務命令権の濫用と言えます。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

こういうことでは?

結局のところ、不正や不法行為は
部下の責任にされるってことさ。

命じられて断ればハラスメントで潰される。
命じられて行えば発覚時に責任おしつけられる。
いずれにせよ命じた上司は組織に守られ、
実行者の部下は悲惨なのさ。

ハラスメントでもデッチアゲでも
何でもやって支配者側になれば
になればいいだけなのさ。

なるほど

早速のご回答ありがとうございました.
違法な業務指示は受けなくてもいいことはわかったのですが,
こういう時には脅迫がともないます.
つまり,「拒否したらどうなるかわかっているな」とか,「お前だけがやらないと言っているぞ」とか,「お前のせいで業務が進まない」とか言ってきます.
拒否したくてもできないように追い込まれても,違法行為に加担したことになるのでしょうか?

それと上記の解説ですが,
>会社上層部は逮捕や起訴の可能性は少ないことを知っておくべきです。
とおいうのはどういう意味でしょうか?
もしかすると,
->会社上層部は逮捕や起訴の可能性は少なくないことを知っておくべきです。
でしょうか?
プロフィール

m.kadono

Author:m.kadono
一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」ではリストラ無料相談を行っています。
平日:9:00~18:00
土日祝:12:00~17:00
(土日祝と17:00以降は要予約)
Tel:06-6452-5833
Fax:06-6452-5677

!!お気に入りに追加!!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード