「自爆営業」の広がりは形を変えた賃下げだ!

郵便労働者にとって苦痛の季節が来た。年賀はがきの多すぎる販売ノルマが負担になる。それだけでなく様々な商品を売るノルマが厳しいので、仕方なく自分で購入することになる。その負担が月何万円にもなる。自分の給料から会社の売り上げを伸ばす為に商品を購入することを、郵便労働者は「自爆営業」と名付けた。

この「自爆営業」がひそかに民間会社に広がりを見せている。報道によれば、経営再建中のシャープは自社の全社員に自社製品の購入を求める「シャープ製品愛用運動」を始めるという。今月20日から来年1月下旬までに役員クラスは20万円、管理職は10万円、一般社員は5万円を設定している。対象商品は液晶テレビ、エアコンや冷蔵庫等だという。

製品購入は「強制ではない」と言うが「全社的な取り組み」としており、協力しないわけにはいかない。シャープは既に給与や賞与のカットをしている。労働者にしてみれば半強制の出費になる。これは事実上の賃下げに等しい。そのうち郵便のように全社員に営業をノルマにするのであろうか?

既に社員に系列会社のうどんセットを購入させ親戚に送らせる会社もある。自社の労働者に自社系列の商品の購入を強制したりするのは労働者家庭には経済的負担であり、それはまさに自爆的な営業活動なのである。会社にとってはそのことを会社に対する忠誠度を図る機会にする事ができるし、売り上げも伸ばせる「一石ニ鳥」の社内運動なのである。

こんな「自爆営業」が社会的広がりを見せる日本社会は「どこかおかしい」と声を上げてほしいのである。給与カットの上に、さらに自社商品5万円の購入を強要されるのであるから、それは賃下げに等しいものである。その上会社に忠実かどうかを見るリトマス試験紙となり、次のリストラの標的になるかもしれないなら、社員は購入を断ることもできない。

必要なのは自社商品を販売する経営陣の能力であり、営業戦略なのだが、それをタコが自分の足を食べるかのような「自社製品購入の社内運動」でごまかす経営陣の愚劣を指摘しなければならない。
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