本日はフーマワタナベの栽判でした!

被告会社(株)フーマワタナベ(親会社ワタナベフーマック)は営業マンのAさんが夜の9時過ぎまで働いていることについて、面談時に就業規則の開示と残業代を請求したことに社長が立腹し、懲戒解雇をでっち上げてきた事案である。

会社側が口頭弁論した準備書面(1)は、懲戒解雇の有効性を主張するとして、横領着服、不正行為の判例を多く並べている。Aさんの懲戒解雇理由は深夜帰宅時に高速を利用したというものと、タイムカードの打ち忘れについてボールペンで書き直したところへの上司の認め印を、上司不在のため机の上の認め印を自分で押した点の2つである。

ETCカードの不正利用と言うほどのものではなく、それまで会社が容認していたことを突然「不正」と言いだしたもので、この件は始末書で決着がついていた事であった。そもそもETCカードの使用規則は開示されてもおらず、夜遅くまで得意先で仕事をして帰宅時に高速を使用することが容認されていたのである。

驚くべきことに被告会社の準備書面は、会社が証拠で示した高速使用のコーポレートカードを根拠に「勤務中に自宅に帰っているのは明らかだ」と主張している。自宅近くの高速出入り口を使用したら、どうして自宅に帰ったことになるのか?被告会社は自宅に帰っていたというねつ造をどう立証するのであろうか?コーポレートカードが示しているのはAさんがいかに真面目に仕事をしていたか、であって、証拠もなしにAさんがサボっていたかの被告の主張には無理がある。

そもそも就業規則も開示せずに、就業規則の処分規定に基づいて懲戒解雇することに無理がある。Aさんは就業規則の懲戒規定のけん責処分も減給処分も出勤停止処分も受けていないのに、どうして突然懲戒解雇できるのか?退職届を出せと言った事が解雇回避措置になるとでもいうのか?アホとしか言いようがない。

そもそも就業規則の第53条の(けん責・減給・出勤停止)の処分項目にはETCカードの不正利用の条項は無く、タイムカードへの認め印の無断使用も処分条項にはない。そもそも始末書の処分でかたが付いている問題なのである。ETCカードの不正利用で解雇するなら、事前にETCカードの使用規則を定めておくべきであり、その内容が周知されていなければならない。懲戒解雇の条項(第54条)には13項目の解雇理由が列挙されているが、そこには今回の2つの解雇理由は記入されていない。

懲戒解雇が合法であるためには懲戒事由及び懲戒の種類が就業規則に明定され、周知されていなければならない。また懲戒解雇の相当性の原則、適正手続きにも問題があり、本件懲戒解雇の解雇権濫用は明らかである。ETCカードの使用を容認しておきながら、Aさんが残業代の支払いを求めたこと、就業規則の開示を求めたことに社長が激怒しての違法解雇なのである。
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日本で懲戒解雇は、よほどでないと認められないのでは?
裁判、受けるとは、アホな会社ですね。
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