分裂しはじめた「連合」の組織的危機の背後になにが?

月刊誌「選択」6月号は「四分五裂する労組連合」と題して「連合」が分裂し始めた記事を掲載している。全国化学労働組合総連合(化学総連、組合員数約4万6500人)がすでに連合離脱方針を決め、さらに組合員数約200万人の金属労協が内ないに連合との政治協力解消を決めたという。金属労協に加入する自動車総連・電機連合・JAM・基幹労連・全電線の5労組も、連合離脱の動きを見せ始めた事が報じられている。

背景として反共組織の金属労協にとって宿敵である共産党と民進党が手を組んだ事が理由に挙げられている。安倍首相が唱える「同一労働同一賃金」をめぐり、連合内では旧同盟系と旧総評系の対立が起きているらしい。金属労協の組合員の中には「アベノミクスを進める自民党に投票したい」との声が噴出しているらしい。

元々労働戦線の統一は、バブル崩壊で闘争資金が株投資の失敗で消えてしまい、これを隠蔽するために「統一」の名の下に労組の合併が繰り返され、労働貴族の反動的上層連合=「連合」ができた行きさつがある。いまや闘争資金の消失も時効となった結果の分裂なのかもしれない。

安倍首相の「同一労働同一賃金」はデフレ対策としての賃上げを、社会政策的に実現する意味があったが、同時に民進党(旧民主党)の選挙基盤を崩す狙いも秘めていたようである。

日本の労働運動にとって重要なのは、労組の家畜化を克服することであり、それなしに国民経済の持続的拡大を進めるための分配率の向上を果たすことができない事にである。安倍首相は財界に呼びかけ賃上げを働きかけ、この3年間実際に賃金は上がった。これはデフレを克服するための施策であったが、一見労働者の味方のように現象する。「連合」の存在感は希薄化し、今回の分裂騒ぎとなったものとみられる。

必要なのは分裂なのではなく労組の家畜化を克服し、分配率を上げることが必要なのである。家畜化の克服なくして日本経済の成長路線への転換はない事を指摘しなければならない。いま連合幹部が分裂回避に動いていると言われるが、この分裂騒ぎの先になにがあるのか注目したい。
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全くその通りだ。今後の動きに着目したい。
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