イギリスのEU離脱問題の本質は格差の拡大だ!

イギリスのキャメロン首相は国民投票に際し、経済的マイナスしか語らなかった。これでは離脱は動かないと私は見ていた。

イギリスの労働者は7年間も賃金が上がっていない。これは移民という安上がり労働力が福祉の充実したイギリスにたくさん流入したからである。EUが難民受け入れを定めているせいで、住むところも、生活費も、医療費まで補償されるイギリスが難民の間で人気となっていた。

EU加入で金持ちや金融資本は儲かっても、大衆はその恩恵にはあずかっていなかったのである。つまりキャメロンは格差問題・賃上げの問題を提起しておれば、イギリスのEU離脱問題は起きなかった。現象的には移民問題として浮上していても、その問題の本質は格差拡大に有ることを政治家は見るべきであった。

アメリカ大統領選のトランプ現象もこれと同じ問題なのである。アメリカ経済は中産階級が貧困化し格差が拡大し、その原因が移民の流入に有る、として移民排斥の政治家に支持が集まるのである。
イギリスのEU離脱決定で世界中の株価が暴落した。世界同時株安であり、今後この影響がどのように連鎖するかに世界中が注目している。

今、先進国の多くがデフレ問題にぶつかっている。失われた20年は日本だけの現象では無かったのである。冷戦が崩壊して以後の強欲の資本主義は労働分配率を著しく下げることになった。日本の場合は労組の家畜化と非正規化によってデフレ経済となった。国民経済の賃金部分の縮小は、消費の縮小となり生産財生産分野までもが縮小するのである。

欧米においては移民の流入が労働者の賃金の低下を導き、格差の拡大が移民問題として政治問題化した。ドイツだけが賃上げを保証することで今も拡大再生産を維持している。反移民の流れは「アメリカ第一主義」(トランプ)の内向き政治となり、EU離脱のように関税の復活は貿易の縮小を導き、大恐慌を招く可能性すらある。

資本主義は均衡の取れた分配率が拡大再生産には必要なのである。冷戦時代は社会主義陣営との競争が資本主義の節度ある分配を保証したが、冷戦が終わった後の強欲の資本主義が格差社会を拡大し、グローバル化の恩恵を得られない労働者・人民の反発を招く事となった。

心配なのは先進国に反移民の民族排外主義が拡大し、右翼運動としてEU離脱の国民投票が拡大することである。中東の難民・移民は中東のサウジやアラブ首長国などの金持ちの産油国が受け入れ、先進国は経済的支援にとどめる方がテロの拡大を阻止できるであろう。移民を安上がり労働力として利用しょうとした強欲の資本主義が今懲罰を受けているのである。

日本は、首相が社会政策的に賃上げを呼び掛けても賃金は上がらない。デフレ解消のためには、労組の家畜化を止め、非正規化を止め、賃上げでグローバル化の恩恵を労働者・地方まで及ぼすべきである。賃金が下がり過ぎて労働者が結婚できない・子供を産めない状況を改善することがデフレの解消には必要なことであり、外国人労働力を増やすことは欧米と同じ排外主義の台頭を招くことになるであろう。
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日本経済に大きな影響が無い様願うばかりだ。
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