過労死・過労自殺の原因は何処にあるか?

労働相談を受けていると、いかに労働基準法が形骸化しているかが分かる。定時にタイムカードを社長が打ってから残業させる。残業代を払わない為である。仕事のことでパワハラをやり、仕事の成果を横取りする。まるで1日8時間・週40時間の労働時間などお構いなしにこき使う。その上にパワハラである。一日16時間働かされている人もいる。なぜ日本はこのようになったのか?

規制緩和と能力主義が原因である。裁量労働制・変形労働制などの規制緩和で労働時間の社会的規制は空洞化した。この上に能力主義でのノルマ制が労働者自身で長時間労働をするように追いつめる。こうして労働が強制労働となり、働くことが苦痛になる。日本の職場では上司が怒鳴りつけ、暴力をふるい、職場で土下座をさせることも多い。パワハラが人格権侵害にまでエスカレートしている例が多いのである。

労働基準監督署はパワハラで労働者が自殺でもしないと労災認定などはめったにしない。怒鳴りつけるテープが有っても「指導」でかたずける。残業を月80時間以上していないと労災は認定されない現実が有る。裁判所は労災認定された事案でもパワハラを否定する。政治の規制緩和の波が労働基準法や労働者の人格権を形骸化し、年間200人近い過労死や過労自殺を生みだしている。なぜ日本人は年間3万人も自殺するのか?これは冷戦後の労働の奴隷労働化(=野蛮な搾取化)の時期に自殺が増加していることを見れば明らかだ。

労働者の味方である労働組合が家畜化し、リストラを許し、パワハラの退職強要を容認するようになったことも原因として指摘しなければならない。労働の非正規化が労働者の雇用情勢を悪化させ、いつ雇止め(=クビ)にされるか分からない中で、職場での生き残り競争が労働者同士のいじめを激化させてもいる。人を辞めさせれば自分の保身につながるのだ。これは弱肉強食のジャングルの中の動物たちと日本の労働者は変わらない事態になっている。

職場がぎすぎすした敵対的人間関係に代わり、職場のベテラン社員が自分の職能や技能を部下に教えなくなり、技術や職能が継承されなくなった。労働者への分配率は低下を続け、個人消費の傾向的低下は経済の縮小再生産(=デフレ)を招くまでになった。強欲の資本主義がデフレ経済の原因であり、日本資本主義はグローバル化の中で世界市場へと向かい、産業が空洞化しただけでなく日本資本主義が侵略性を著しく強めていることを指摘しなければならない。

政治家はどのようなところに日本を導こうとしているのかを厳しく問い詰めなければならない。
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ブラック企業、ブラック組織の現状は、正に委員長のおっしゃる通りです。職員同士を、人事考課の名の下に、昇格、昇給させ、しかも、それが正当に評価されるものならまだしも、自分達に都合の良い者、仕事の能力はなくとも自分達にしっぽを振る者だけを昇格、昇給させるのがブラック企業、ブラック組織の常識です。そんな職場に生産性はなく、ますます職員同士の足の引っ張り合いを助長させ、ブラック化がますます深刻化する。私達は、こう言う現状がある事を、コツコツと労基やマスコミに知らせていく必要があると思います。私は、取りあえず、記録に残させる意味で、色んな公の機関に、相談の電話だけは入れ続けています。その効果が出始めているのか、数年前より、ブラック組織に対する対策が、少しは、より取られるようになって来た様に思います。誰かを、何かを動かすには、まず行動を起こすことです。塵も積もれば山となる。すぐではなくとも、必ず成果は出ます。ブラック組織を潰す為に、何十年もブラック組織と戦い続けているわたしの感想です。

一般の労働者は何か問題が有れば労働基準監督署に言えば何とかなると思っている・・
私も湯にユニオンの組合員になるまではそう思いこんでいました。
労基はもっと本気で取り組んで欲しい!
書面主義の昨今、書類だけで判断している!
悪知恵の働くブラック経営者などはそのことをすっかりお見通しでやっていることに気付け!
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