厚労省の解雇の金銭解決制度検討に反対する!

厚生労働省の有識者検討会は15日「解雇の金銭解決制度」について報告書の事務局原案を示した。この原案に対し報道によると労使双方の委員から異論が噴出し、検討会は議論の賛否を併記した形で報告書を今月中にまとめるという。

報道によると、保障金に当たる「労働契約解消金」の支払いと解雇無効を一括して裁判所が命じる仕組みについて「相対的には選択肢として考え得る」としたという。また使用者からの申し立ては「不当な解雇や退職勧奨を招く」として「現状は導入は困難」とした。また「労働契約解消金」に上限と下限を設けることも「適当」とした。

現在の解雇の自由化を求める経済界の意向を受けた、一連の厚労省の検討は、違法な解雇が続出している現状から、解雇裁判に負けても、お金を支払えば原職復帰を妨げることができる制度であり、我々労働組合は絶対に認めることは出来ない。この「労働契約解消金」は事実上の不当労働行為制度の骨抜きであり、資本主義経済の拡大再生産を保障した不当労働行為制度を含む現行労働法制(=戦後労働改革)を形骸化して、デフレ経済を一層深刻化することになる。

現在の日本で必要なのは、解雇のやり得を阻止するため、違法解雇に対し懲罰的慰謝料を制度化することである。日本の労働法制はいつも経営側の要求から規制を緩和してきたのであるが、今回の「労働契約解消金」の支払いと解雇無効を一括して裁判所が命じる仕組みは、結果として経済成長を促すための「戦後労働改革」の成果を骨抜きにすることであり、その愚かさを指摘しなければならない。

日本の財界は、戦後の労働改革が日本経済の早い復興を支えただけでなく、国民経済の拡大再生産を保障してきた利点を理解すべきである。目先の利潤拡大策ばかり見て、国民経済を縮小再生産に追い込んだ愚かさを指摘しなければならないのである。労働法制は国民経済の成長の観点から見直さねばならない。

厚労省の有識者検討会はまず、国民経済の拡大再生産を目指すのか?それとも縮小経済にますますしていくのかを、まず鮮明にすべきである。「労働契約解消金」導入による解雇の金銭解決はデフレ経済を一層促すであろうことは明らかで、必要なのは違法解雇に対する懲罰的慰謝料の制度を確立することである。

現状では経営者が違法解雇をしても何の咎めもなく、未払い賃金を支払えばいいのでは違法解雇のやり得を奨励しているものでしか無い。検討すべきは国民経済を縮小に追い込んでいる、現行法整備の欠点を正すことであり、ましてや国民経済の成長を保証する不当労働行為制度を含む戦後労働改革を骨抜きにする愚か極まりない行為を直ちに止めるべきである。
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