FC2ブログ

パワハラ防止の法制化は経営の足かせか?

新聞を切り抜いていると、朝日新聞の小さな記事が目にとまった。その8月28日付けの記事は小さくて、見落としてしまうぐらい小さな記事ですが、内容はとても重要なので書くことにしました。

記事の内容は「職場でのパワーハラスメント(パワハラ)の防止策について議論する厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会の分科会が27日、始まった。年内の取りまとめを目指すが、防止策を法制化するかどうかが大きな論点となりそうだ。」記事は続いて「労政審に先立つ有識者検討会は3月にまとめた報告書で、防止策については法制化と法的強制力を持たない指針(ガイドライン)の策定を併記していた。企業側が、法制化は経営の足かせになるとして指針での自主的な取り組みを主張したからだ。」ただこれだけの短い記事だが内容は新聞の一面でもおかしくない記事の内容です。

さてパワハラの防止のための法制化が「経営の足かせになる」との経営側の主張が私には理解出来ない。多くのパワハラの相談を受けている私の感想ではパワハラ容認は企業を腐らせ組織も人もダメにするので、どうして「経営の足かせになる」のか理解出来ない。たぶんこの経営側委員は認識論が理解できていないのだと思う。

営業職の管理職が部下に暴力をふるったり、「殺すぞ!」と脅迫したり、成績の悪い部下に「土下座せよ!」と強要したり、大衆の面前で「バカ・アホ」呼ばわりしたり、見せしめに長時間いじめることが多くの職場で行われ、パワハラの標的になった労働者がうつ病で休み、やがて退職に追い込まれる事態が多く見られるようになっている。中には過労自殺に追い込まれる例も多くある。これは指導ではなく精神的・肉体的暴力である。

本当の指導とは、営業会議で成功例と失敗例を報告させて、営業成績を上げる法則を理論化し、成績の劣る営業社員が成績を上げることができるよう、法則を掴ませることを指導というのであり、ののしったり、「殺すぞ!」と脅迫したり、大衆の面前で土下座を強要することは指導ではない。「有識者検討会に、認識論も理解出来ないものを有識者会議の経営側委員として選ぶ経団連もおかしい、といわねばならない。

経営者の中には優秀な営業社員をパワハラで退職に追い込み、顧客まで同業他社に移されて売り上げを9000万円も減少させるバカな経営者もいる。精神的暴力を禁止する法律を作ればそれは経営のためになりこそすれ、決して経営の足かせになることはない。問題なのは精神的プレッシャーが社員を働かせる手法と間違って認識するバカな経営者が多いことなのだ。このことが年間30万人以上の労働者をうつ病にし、莫大な医療費や休業保障等の社会的経費を増やしている原因なのだ。

こうしたパワハラは、社員が上司の失敗や不正や、ルール違反を指摘した場合、とりわけ攻撃が激化し、こうしたパワハラを経営者が容認すると、誰も不正を指摘するものがいなくなり、その会社が腐敗したり、技術的な劣化をしていくことになる。精神的暴力を法律で禁止することは決して「経営の足かせ」にはならないのである。「モラル・ハラスメントが人も会社もダメにする」というフランスの女性精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌの言葉は、幾多の実践で証明された真理であると私は思う。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

私もパワハラ被害者だからわかるけど、ハラスメントをする側は、自分のやったことは「仕方なくしたこと」と考え、それを告発する人間は「ダメな奴」ととらえたがっている傾向があります。一般企業だけでなく、学校や病院までもがその舞台になっているのが問題です。

No title

「経営の足かせになる」という考え方は、部下からの言いがかり(パワハラ)に対する意見なのだろうが、結局経営者側の意見しか受け入れないという時点で、日本の政治そのものがパワハラ体質と認識せざるを得ない。
プロフィール

m.kadono

Author:m.kadono
一人でも入れる労働組合「新世紀ユニオン」ではリストラ無料相談を行っています。
平日:9:00~18:00
土日祝:12:00~17:00
(土日祝と17:00以降は要予約)
Tel:06-6452-5833
Fax:06-6452-5677

!!お気に入りに追加!!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード