ユニオン関係者が学ぶべきこと
私は以前、大阪労働者弁護団の学習会に出た時に、有名なユニオンの専従が「団体交渉を決裂させ、嫌がらせで10回団体交渉をした」と自慢げに話していたのを聞いたことがある。団体交渉権を嫌がらせに使っているのである。なぜそのようになるのか?それは組合の指導者として戦略・戦術を身に着けていないからである。さらには交渉術も学んでいないのである。組合指導者は法律的枠組みの中で、戦略・戦術を学べば1回の団体交渉で問題を解決できるようになる。それで生意気なようであるが、今回は、このテーマで書くことにする。
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<労組指導者が学ぶべきこと>
(1)その事案の詳細な事実の把握、労組法・労基法、労働契約法など、法律的な諸関係を学び、争点となる点、必要な証拠、勝利するうえでの法律的な必要条件を理解しておく必要がある。
(2)戦略・戦術論を学んでおくこと、そうでなければ法律的知識を生かせないのである。戦略戦術論は中国の兵法家「孫氏の兵法」や、中国の古代遺跡から発見された「孫ピン兵法」が出版されている。また日本の戦国時代の歴史小説や中国春秋戦国時代の歴史小説を読めば多くを学べる。
(3)交渉術を学ぶべきこと。これは外交術でもある。私は交渉術を、宮城谷昌光氏の中国の歴史小説から多くを学んだ。中国の歴史は戦略戦術や交渉術の宝庫である。
(4)労働相談者の思考方法や考え方の特徴を理解すること、つまり労組活動家は認識論を身に着けておく必要がある。
労働者の中には相手の立場に立って思考することが苦手な人、一面的で主観主義的な思考をする人などが少なくない。闘いを勝利するには相談者の認識の特徴を理解しておかないと、とんでもない事態を迎えることが少なくない。相手の認識が浅いと、組合が提起する戦術戦略を理解できないので、大きな齟齬を生じることがある。矛盾の性質や分析の仕方や、会社側の社長の思考方法などを把握するには、認識論を身に着けておく必要がある。認識論は毛沢東の「実践論」や「矛盾論」を学べば身につくので是非読んでほしい。
<組合員を裏切ず、辛抱強く相談にのること>
長年労働相談を受けていると、どこそこの「ユニオンに依頼したら解決金の交渉をしていると思っていたら、ユニオンの幹部が会社から裏金を交渉していた」こと、そのメールが間違えて自分に送られてきたのでわかった。とか団体交渉でわざとケンカして決裂させるので団体交渉はいらない、と言う相談者もいる。中には団体交渉を自分で中止にして、「自分で交渉する」といって、パワハラ事案が「いつまでも解決できない」と怒鳴りつけてくる人もいる。また団体交渉をやれば原職復帰できると判断したら、「団体交渉はしない」と拒否する人もいる。労組法を理解していたら団体交渉をせずに、問題解決の交渉などできるわけがないのである。研究機関や大学の先生など「賢すぎる」人に多いタイプである。
また「あるユニオン相談したら、バカと怒鳴りつけられた」と言う相談者もいる。よく話を聞くと、その相談者のうつ病が悪化し、猜疑心が強くなり、つじつまの合わないことを話すのである。相談者が心を病み、相談内容が支離滅裂で、まず心の病気を治療することが先決である場合も多い。このような時は、まずパワハラの損害を立証するために心療内科を受診し、診断書を取るように説得し、治療を受けさせるようにした方がいい。怒鳴りつけて解決する問題ではないのである。
ところが相談者に聞くと、「ユニオンに怒鳴りつけられた」という人が少なくないのである。心を病んでいる相談者が非常に多いので、ユニオン関係者が苦労する点である。つまり、ユニオン関係者は労働相談者の心の痛みを理解したうえで、相談に辛抱強く取り組む必要がある。世間にはユニオンのことを「駄目ユニオン」と答える人が少なくないのは、相談者に内緒で会社から裏金を受け取り、相談者を裏切るユニオンが多いことが、ユニオンの悪評の原因なのである。
<闘えない時は正直に断わること>
また労働相談する側に問題がある場合も多い。自分で解雇の理由を与えておいて「違法解雇だ」と嘘を言う相談者もいる。未成年の女性を相手に買春して逮捕され、「自分は未成年だとは知らなかった」ので「解雇はおかしい」という相談者もいる。解雇になったが闘えないかと相談してくる人の話を聞くと、仕事中にひき逃げしたことがバレたというのである。このような時は、加入金を受け取らず、「闘っても無駄である」と正直に答える方が本人のためにもいい。交通事故になった場合は逃げずに相手の救助に動くべきなのである。
#ユニオン指導者が学ぶべきこと
新世紀ユニオン新ホームページ
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<労組指導者が学ぶべきこと>
(1)その事案の詳細な事実の把握、労組法・労基法、労働契約法など、法律的な諸関係を学び、争点となる点、必要な証拠、勝利するうえでの法律的な必要条件を理解しておく必要がある。
(2)戦略・戦術論を学んでおくこと、そうでなければ法律的知識を生かせないのである。戦略戦術論は中国の兵法家「孫氏の兵法」や、中国の古代遺跡から発見された「孫ピン兵法」が出版されている。また日本の戦国時代の歴史小説や中国春秋戦国時代の歴史小説を読めば多くを学べる。
(3)交渉術を学ぶべきこと。これは外交術でもある。私は交渉術を、宮城谷昌光氏の中国の歴史小説から多くを学んだ。中国の歴史は戦略戦術や交渉術の宝庫である。
(4)労働相談者の思考方法や考え方の特徴を理解すること、つまり労組活動家は認識論を身に着けておく必要がある。
労働者の中には相手の立場に立って思考することが苦手な人、一面的で主観主義的な思考をする人などが少なくない。闘いを勝利するには相談者の認識の特徴を理解しておかないと、とんでもない事態を迎えることが少なくない。相手の認識が浅いと、組合が提起する戦術戦略を理解できないので、大きな齟齬を生じることがある。矛盾の性質や分析の仕方や、会社側の社長の思考方法などを把握するには、認識論を身に着けておく必要がある。認識論は毛沢東の「実践論」や「矛盾論」を学べば身につくので是非読んでほしい。
<組合員を裏切ず、辛抱強く相談にのること>
長年労働相談を受けていると、どこそこの「ユニオンに依頼したら解決金の交渉をしていると思っていたら、ユニオンの幹部が会社から裏金を交渉していた」こと、そのメールが間違えて自分に送られてきたのでわかった。とか団体交渉でわざとケンカして決裂させるので団体交渉はいらない、と言う相談者もいる。中には団体交渉を自分で中止にして、「自分で交渉する」といって、パワハラ事案が「いつまでも解決できない」と怒鳴りつけてくる人もいる。また団体交渉をやれば原職復帰できると判断したら、「団体交渉はしない」と拒否する人もいる。労組法を理解していたら団体交渉をせずに、問題解決の交渉などできるわけがないのである。研究機関や大学の先生など「賢すぎる」人に多いタイプである。
また「あるユニオン相談したら、バカと怒鳴りつけられた」と言う相談者もいる。よく話を聞くと、その相談者のうつ病が悪化し、猜疑心が強くなり、つじつまの合わないことを話すのである。相談者が心を病み、相談内容が支離滅裂で、まず心の病気を治療することが先決である場合も多い。このような時は、まずパワハラの損害を立証するために心療内科を受診し、診断書を取るように説得し、治療を受けさせるようにした方がいい。怒鳴りつけて解決する問題ではないのである。
ところが相談者に聞くと、「ユニオンに怒鳴りつけられた」という人が少なくないのである。心を病んでいる相談者が非常に多いので、ユニオン関係者が苦労する点である。つまり、ユニオン関係者は労働相談者の心の痛みを理解したうえで、相談に辛抱強く取り組む必要がある。世間にはユニオンのことを「駄目ユニオン」と答える人が少なくないのは、相談者に内緒で会社から裏金を受け取り、相談者を裏切るユニオンが多いことが、ユニオンの悪評の原因なのである。
<闘えない時は正直に断わること>
また労働相談する側に問題がある場合も多い。自分で解雇の理由を与えておいて「違法解雇だ」と嘘を言う相談者もいる。未成年の女性を相手に買春して逮捕され、「自分は未成年だとは知らなかった」ので「解雇はおかしい」という相談者もいる。解雇になったが闘えないかと相談してくる人の話を聞くと、仕事中にひき逃げしたことがバレたというのである。このような時は、加入金を受け取らず、「闘っても無駄である」と正直に答える方が本人のためにもいい。交通事故になった場合は逃げずに相手の救助に動くべきなのである。
#ユニオン指導者が学ぶべきこと
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